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各国の相続税について①

こんにちわ、鹿児島市のきしゃば会計事務所分室「相続税専門オフィス鹿児島」のブログです。

 

相続税のある国、ない国

 

相続税は人の死亡を起因とする遺産の移転に着目して課税される税金です。

そもそも相続税はなぜ存在するのか?

色々説はありますが、故人の生涯所得の精算とか、相続人が手にする遺産という富に対する課税など言われています。

日本においては日露戦争の戦費調達のために相続税というのが創設されました。当時の日本は国家予算の半分が軍事費という軍国主義の国でした。ギリギリで勝利した日露戦争は相続税で得た軍資金があったからと言っても過言ではありません。

結局取れそうなところから取るのが税金というものです。日本の相続税については次回詳しくお話したいと思います。

 

現在、相続税が存在する国、存在しない国とがあります。

オーストラリアのように国としての歴史が浅くそれほど貧富の差がないので遺産という不労所得に重税を課して富の再分配をする必要性が薄い国は相続税が存在しない傾向です。

金持ちはどこまでも金を持っているイメージのアメリカは当然相続税が存在しますが、基礎控除が約6億円です。遺産が6億円以下なら相続税が発生しません。アメリカという国はお金持ちが寄付活動などを積極的に行います。いわば金持ちは自主的に国家に貢献しています。そういう事情が加味されての高い基礎控除ではないかと思います。

中国は現在、相続税はないのですが近年の億万長者の出現により、中国でも相続税を新たに創設しようという動きがあります。

 

<相続税がある国の税率>

国名

税率

基礎控除

配偶者控除

日本

10~55%

3600万円

遺産相続の2分の1まで免税

アメリカ

18~40%

545万ドル(約6億円)

配偶者が米国市民の場合あり

イギリス

一律40%

28万5000ポンド(約4300万円)

あり

フランス

税率5~45%

10万ユーロ(約1300万円)

あり

ドイツ

税率7~30%

40万ユーロ(約5200万円)

なし

韓国

税率10~50%

2億ウォン(約2000万円)

あり

台湾

一律10%

なし

あり

※為替レート;1ドル=110円、1ポンド=150円、1ユーロ=130円、1ウォン=0.1円で計算

このように、相続税は先進諸国やアジア圏で多く設けられています。北欧諸国や新興国では相続税が採用されていません。

また、相続税を補完する意味で贈与税というのもあります。「相続税を課せられるくらいなら生前に全部贈与しちゃえ」というよこしまな事を考える方がいるために、相続税よりもはるかに高い税率の贈与税で生前の資産移転を抑制させています。

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