家庭菜園は自宅敷地(居住用宅地)の一部なのか?
居住用宅地、つまり「自宅の敷地」については、税法上色々と特典が設けられています。
その中でも所得税と相続税の特例で大きな節税になる制度があります。
1所得税・・・居住用財産を譲渡した場合の3000万円控除
自分が居住していた宅地を売却した場合に譲渡利益のうち3000万円までは所得税が課せられません。自分で購入したマイホームの場合まず税金は発生しません。先祖伝来の土地を相続でただで手に入れ家を建てていた場合でも売却益が3000万円以下ならやはり税金は発生しません。
2相続税・・・特定居住用宅地等の小規模宅地等の特例
亡くなられた方が居住の用に供していた宅地を配偶者や同居親族が相続した場合は、その宅地の相続税の評価は80%引きで計算してよい制度です。本来5000万円の評価の土地ならば1000万円の土地として評価してよいというありがたい制度です。
このように自宅敷地については絶大な特典が設けられているわけですが、この場合の「自宅の敷地」とはどこまでを言うのでしょうか?
鹿児島市街地の荒田や城西、清水町などのこじんまりとした広さの自宅はすべて自宅敷地と判断できますが、吉野町など少し郊外に行くと自宅敷地が300坪というところも珍しくなく、広い庭で家庭菜園などをされている方も多いです。
建物が建っている部分や庭部分は当然自宅敷地だと考えられますが、よく判断に迷うのはこの家庭菜園をされている部分です。
家庭菜園も行き過ぎると、自宅敷地にあらず農地と判断され、上記の税法の特例が使えません。
家庭菜園と農地の線引きについて説明したいと思います。
次の条件を総合的に鑑み家庭菜園か農地か判断いたします。
1居宅に隣接しているか
居宅から離れていては到底家庭菜園と言えません。
2面積
何ヘクタールもあるようでしたらそれは家庭菜園の域を超え、農地だと思います。
3出荷量
家庭菜園ですので農作物は自宅消費のみあるいは近所におすそ分け程度でなくてはなりません。ましてや第三者や農協に出荷するレベルだと家庭菜園と言えません。
4農地台帳の登録
農業委員会で農地として登録されている場合は問答無用で農地です。
5固定資産税等の地目
固定資産税や謄本の地目が畑になっているのか宅地になっているのかでも判断いたします。
鹿児島市の税理士、きしゃば会計事務所分室「相続税専門オフィス鹿児島」のブログでした。