戸籍の種類
こんにちわ。鹿児島市の相続税専門「相続税専門オフィス鹿児島」の税理士の中村です。
◆戸籍の形態別に分けると3つに分けられます。
1現在戸籍
現在使用されている、在籍する者が存在する戸籍のこと。筆頭者の本籍地にあたる市町村(東京23区と政令指定都市は区)の戸籍簿に綴られて保管されています。戸籍簿は地番もしくは街区符号の番号順に綴られています。
2除籍
1つの戸籍に在籍した者が、婚姻、養子縁組、死亡などにより全員いなくなった戸籍のこと。全員が除籍されるとその戸籍は戸籍簿から除かれて(消除)除籍簿に移されます。除籍簿も戸籍簿と同様に本籍地の市区町村が年ごとにまとめて保存しています。
3改正原戸籍
戸籍の様式が法律または命令によって改められた場合、従前の様式で編製された戸籍を新しい様式の戸籍に改めるための編製替えが行われます。この改製前の戸籍のことを改製原戸籍といいます。
◆戸籍の写しを形態別に分けると2種類に分けることができます。なお、電子化後はこの呼び名が変わっていることに注意が必要です。
1戸籍謄本
戸籍謄本とは、役所に保管されている戸籍の原本全部(全員の記載事項)を写した書面のことをいいます。金融機関では原則として謄本の提出を要求されます。電子化後は戸籍の「全部事項証明書」といいます。
2戸籍抄本
戸籍の原本の一部(請求された特定の個人の記載事項)を抜粋して写した書面のことをいいます。本人確認のためだけであれば、抄本で確認することができますが、金融機関は他に法定相続人がいないことを確認しなくてはならないため、謄本の提出を要求します。電子化後は戸籍の「個人事項証明書」といいます。
◆戸籍の法令別(歴史的)に分けると、法改正が行われた年または施行・改正実施が行われた年別に分類することができます。現在、取得できる戸籍は、5種類です。
1明治19年式
明治19年10月16日から明治31年7月15日まで作られた戸籍。家単位に戸主を中心としてその直系・傍系の親族が1つの戸籍に記載されています。
2明治31年式
明治31年7月16日から大正3年12月31日まで作られた戸籍。戸籍1枚目の表面に「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が設けられ、その戸籍が編製された日がわかりやすくなりました。
3大正4年式
大正4年1月1日から昭和22年12月31日まで作られた戸籍。経過措置でその後10年以上にわたり現行戸籍として使用されたものも多くあります。「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄が廃止され、その事項は戸主の事項欄に記載されるようになりました。
4昭和23年式
昭和23年1月1日から現在まで作られている戸籍。平成10年代以降は電子化が進み横書きになりました。これまでの戸籍とは大きく異なり、戸籍の記載事項が家の単位から夫婦親子の単位に変更されました。
5平成6年式
昭和23年式が電子化(磁気ディスク化)されて横書きとなったものです。根本的な法改正は行われていないので昭和23年式を現行戸籍と呼んでいる例もあります(単に電子化されて様式が異なったにすぎないため)。平成6年の戸籍法の改正により戸籍の電子化が行われていますが、その実施時期は各市町村の任意で、実施時期にはばらつきがあります。